レベル13 女体で除隊なる危機一髪的変態

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レベル13 女体で除隊なる危機一髪的変態

 カッ!?  俺の目が一気に見開かれる。  そして、  ゆっくりと立ち上がる。と、お胸に違和感なバリバリ。いや、それよりも問題なのは股間に在るべきものがない。つうか、有り体なワード達でしか、それを表現出来ないのは、やはり、俺が、いや、俺様が、女体進化したからこそだ。うむ。  マジか。  進化。それは進化なのどぁ。  遺影ッ!  男に生まれ、のち男として生きてきたら、必ずや、それこそ絶対に行き着く先。  女になったらどうなるんだろ? やっぱりアレって、めっさ気持ちいいのかな?  だわよ。  アレとは何かを聞くのは無粋だ。いや、無粋と言うよりも聞くヤツはエロいとだけ言っておこう。無論、コンプライアンス的に、いや、というよりも、このお話が18禁になる。少なくとも16禁にはなるな。だからこそ聞くな。絶対にな。  兎に角。  全人類の半分、世界全ての男の夢。女へと成れたわけだ。  俺はな。  ジョン。 「……ビチ、そんな事は、どうでもいいから、直ぐにステータス・オープンしな」  うるさい。黙れや。女になった俺は今から極めてプライベートな事をするんだ。 「すでに胸を揉んでるさね。もはや呆れるしかないね。やめな。神から存在自体を魂と共に消滅させられるよ。それほどまでに怒ってるのが分からないのかい?」  いや、さね魔人。お前の名は香恋だったな。って事は女なんだろ? だったら。  だったら分かるわけがないだろうが、男の偉大な夢がな。  海賊王に俺はならんが、エロキングに、俺はなる、だぜ? 「ああ。確かに女さね。でもね。私が男になったなら……」  さあ、どうする? 一体、どうするんだよ? 「……ッ」  ううん? 「いやいや、なにもしないさね。普通に生活して、普通に生きようかね、だよ。なにを勘ぐってるのさ。アンタの方がエロいんじゃないのかい? みんなよりも」  黙りやがった。黙りやがった。一瞬だが。ふっ。勝った。  即答じゃないのが怪しいぞ。果てしなく怪しい。だろう?  例えよう。悶えてよ、アダムくんの世界で、全人類の半分である男の中で、唯一、EDを免れて生を受けたとしてだ。やったぜ、ベイビー、とか思ったらEDを即座に治す特効薬が、いきなり発明されたようなもんだ。クソたれ、だぜ?  いや、それともアレか。太古の昔、川原に堕ちていたという煌めく宝物が……。  実は、ガチムチな二人の絡みが描かれた薔薇族のソレだったといったところか。  いや、これは神様の思考を読んで知ったのだが。船橋という都市があってだな。駅から海へと向かう道を親友と歩いていたそうだ。で、小さな公園というかベンチが在る広場があった。そこに例の薔薇族な危険物が置いてあったらしいのだ。  そこまでは川原のソレと何ら代わりがない。  ジョン。  実のところだ。問題は、ここからなわけだ。  親友が、いきなり、ちょっと休んでいかねぇ? なんて言い出して薔薇族な危険物が置いてある事を知らない神様は、ああ、いいよ、とベンチに腰掛けたそうだ。そして、親友が危険物を拾って読み出したのだ。しかも息が荒くなってな。  ハァハァハァって感じでだ。  ぐおぉ。  これ以上は本当に危険だ。危険すぎるぞッ!  遺影ッ! 「まあ、どうでもいいから、そんな事は、それよりもステータス・オープンしな」  というか、男になったらを誤魔化した件はスルーなのな。まあ、いいんだけど。  それよりも女になったのだ。だったら、やる事は一つ。女体の前持ち主の事を考えないのか、あるいは、前の体の持ち主が戻った後の事を考えないのか、だと? フハハ。知らん。クズと罵られようと、人の心はないのかと蔑まれようとも。  俺の自家発電は止められん。  むしろ止めるヤツがいたら、それが女だったら、即座に百合の世界にGOだぜ?  まあ、今の女体ならば男とならニュートラルなんだが精神的にきっちいからな。  遺影ッ! 「ふうッ」  と、おっさんが吐く息の音。  ムキムキ言語の阿呆野郎だ。 「確かに、その体の前持ち主の事は考えでもよい。余らが生きる、この世界は世界五分前仮説が成り立つ世界なのだからな。だからこそ因果律の問題が……」  うるさいうるさい。そんな哲学な思考実験の話なんか知るか。知りたくもない。  むしろ知りたいのは女体の神秘だ。深海に眠る進化の為のシンギュラリティだ。  五分前に世界が創られたとしたらだと? 知るか。十分前にしとけ。いや、むしろイチナノセカンドでいい。そのあと、3700年間、石化して眠ってやんぜ。いや、デビルバット・トライデントでワンパンマンだな。そうとしか思えん。  というか、凄く今更なんだが、この転生前の少しの間に考えた事を思い出した。  勇者が死んだ時に俺も死んだというヤツだ。  いや、そんな事は、どうでもいい。どうでもいいのだ。そこに間違いはないし、いくらか誤解させるような事も言ってしまった、だから、済まん、というだけでいいのだ。もはや、その問題は忘れよう。そんな事よりも、トイレは、どこだ?  トイレ?  もちろん女子便に入ってハイになる為にだ。  個室の鍵は閉めず、もし、別の女子が開けたら、ほら、こんな事も出来ますよ?  こんなにもプライベートな事もですわ、と。  デスワノートを見せるまでもなくシコシコ。  あ、シコシコじゃないか。ピーピー、だぜ?  どうやら流石に自己規制が入ったようだな。  言うまでもなく、ピーピーってヤツの事な。  遺影ッ!  兎に角。  そのあとは百合を楽しむぜ。黒百合と白百合の、甘き夢見し、酔いもせず、だ。  あ、浅き夢見しだったか。どうでもいいが。  ジョン。 「香恋よ。ビチがモブキングに近づいているのは間違いないが、もはや我らの手に負える段階を越えたのかもしれんな。まだ、このママ、様子を見るつもりか?」 「ジョンドット五世。何が言いたいのかい?」 「そろそろケリをつけなくてはならん。余は、そう言いたいわけだ。どうする?」  一旦、少し間があって、さね魔人は黙った。  そして。 「もう少しだけ考えさせとくれ。お願いだから。それで出た結論が存在の消滅ならば、それもまたしょうがないさね。それこそがビチの因果応報なんだからね」 「うむ。心得たぞ。では、あと少しだけはな」  とムキムキ言語とさね魔人が気になる事を言っていたが、それどころじゃない。  ハァハァに必死で夢中になり、まるで聞いていなかった。  ジョン。
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