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「この宮殿の中を、少し案内していただけませんか? 昨日、議会場に行くときに思ったんですけど、すごく広いですよね?」
「ええ。ほとんどの議員や使用人がここに住んでおりますから。では、案内いたしましょうか。その前に、少しだけ書類仕事を片付けてもよいですか?」
「もちろんです!」
ソンジが書類仕事を片付けるのを一時間ほど待ってから、二人は執務室の外に出た。
「ではまず、この宮殿の地図をお渡ししましょう」
ソンジから、一枚の紙が渡される。
この宮殿は大きく3つの棟に分かれているらしい。一つが使用人たちの居住区や倉庫などがある棟、そして中央にあるのが宮殿の中枢機能が置かれている本殿、そしてもう一つが貴族たちの暮らす居住棟だった。
「議会場はこの真ん中にあります。我々が普段過ごしているのはこちらの居住棟ですね。とりあえず、主要な部分は歩いて巡ってみましょうか」
「はい!」
ソンジの案内で、居住棟を歩く。居住棟と言っても、貴族たちが生活に不自由しないように図書室や遊戯室、音楽ホール、会食に使用するいくつかの小食堂、外部からの行商などが集まる大広間などがあった。
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