【おまけ】舞台裏・古代エジプト★豆知識

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【おまけ】舞台裏・古代エジプト★豆知識

◆古代エジプトの一週間 一週間は十日で、十日が三週間=三十日で一ヶ月。 四ヶ月でひとつの季節で、季節が三つ=十二ヶ月で一年。余った五日は古代エジプト語で「年に加えるもの(ヘメト・レンペト)」と呼ばれた。 ◆軍隊と従軍書記 住民の殆どが農民の古代エジプトでは、兵士は傭兵として賄うのが一般的だった。ヌビアをはじめとする外国人の傭兵も多く、物語設定からすこしあとの時代にアジア人王朝にナイル下流が乗っ取られるのも、歴代雇っていたアジア人傭兵が家族とともに多く住み着いたのが原因の一つと考えられる。 また、中王国時代以降は各州ごとに一定数の常駐軍がいたようなので、今回はその設定を採用した。軍内部の細かい役職名は、ちょっと時代が違うが「後期エジプト選文集」の中で言及されているものを使っている。 軍隊の物品管理などをする専属の書記は第十二王朝から存在が確認できる。 ◆メンフィスの墓地 作中に登場するメンフィス郊外の墓地は、現代で言うサッカラ、またはアブシール。つまり背景に見えている「昔の王たちの墓」とはマスタバとピラミッド群である。メンフィスは、街からすぐ側にピラミッドが見える特殊ロケーションの一つ。 街は川沿い、ピラミッドや墓は水没しないよう川から離れた高台に作られているため、距離的には少し離れている。 ◆結婚と遺産相続 古代エジプト女性は、結婚しても実家の相続権は失わず、実家へ戻るのが禁止されるなどの制限はなかったらしい。 遺産相続は基本的に親の遺言で決められ、「親の老後の面倒をみる」「墓参りをする」ということを期待して財産が譲られていたようだ。老いた親の面倒を見ない実子を切って養子だけに相続させたり、子供たちを勘当したいと訴えるパピルスも残っている。 ***** 今回は古代エジプトの「軍隊」に関する情報をストーリーに取り込んでみました。 残っている記録は書き手が書記や文官のことが多いですが、軍人も歴史の主役ではあると思います。 作中に登場させたチャルウ砦は、兵士の愚痴や訓戒文学によく出てくる地名。 近年、スエズ運河の拡張工事中に遺構が特定された場所なので、探せば写真なども出てきて風景イメージがつきやすいです。
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