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第1話 突撃!あなたが晩御飯!
朝起きて、今日は面倒くさいから歯を磨かず、夜にシャワーを浴びてそのまま乾かさず寝たせいで癖毛がひどいがそれも直さず。
そんな時はどうせヘルメットを被るからと自分に言い聞かせ、誰も気にも止めないだろうとどうでもよくなる。
朝6時40分に出れば間に合う。だからその10分前に起きて向かう。
25歳にもなって彼女もいないし、将来の事もあんまり考えていない僕は
こんなように少しだらしがなく、それなりに楽しく生きていて、今日もいつもと変わらない日常を始める。
直すのが面倒くさくて、今にもパンクしそうなツルツルのタイヤの自転車で、イヤホンをつけて音楽を聞きながら職場に向かうのが僕のルーティン。
朝から小声で歌を歌いながら、いつものルートで30分程かけて行く。
人が少ない住宅街を走っていく。
信号もなく、静かな場所を進んでいた。
いつもなら無意識に曲がる交差点。
だが今日はそこにある自販機に目をやった。
自販機の前で立ち尽くす1人の少女。
まだ十代後半くらいの色白の子にすぐ目がいった。
ここは東京の一番端っこ。
有名な観光スポットがあるが、今は観光客が来るには早すぎる時間だ。だけどその子は日本人の顔立ちではなく、字も読めなさそう。
大きな赤いリボンをつけて、灰色の長い髪。
青い瞳の横顔に思わず見とれてしまった。
地元にこんな可愛い子がいるとは思えず、なにもない住宅街にいるのは不思議だった。
一度過ぎたが……
気になりすぎて自転車を止めた。
振り返って様子を見ていると……
僕に気がついて、目線をこちらに向けた。
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