雪の日の待ち合わせ

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雪の日の待ち合わせ

雪の日の待ち合わせは大嫌いだ。 高校の卒業を控えた年のある日。 俺は同級生の女子に告白された。たしか、卒業する前に気持ちを伝えたくて、とかなんとか言っていた気がする。 今まで誰かに告白されたこともなければ、自分から告白もしたことのなかった俺には、初めての交際だった。 交際していたからと言って、何かしたわけではない。 3学期の授業を全て終えて休みに入ったこともあって、一緒に帰宅するなんてこともできなかった。 手を繋いだことも、キスも、何もしたことはない。 今思えばそれでよかったと思っている。 きっと彼女も楽しくなかったんだろう。 こちらから連絡をしなければ、向こうから連絡をしてくることもない。 そんな、本当に交際しているのかと疑いたくなるような関係だった。 そんなある日、俺は彼女から呼び出された。 とある公園の桜の木の下で待っていてと言われた。 だから……俺は待ち合わせ場所に行った。
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