女が来た

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 石丸の瞳に覗き込まれた杏がギョッとして退く。 「え? いやですわ何を……おっしゃいますの……?」 「お子様にかかっていた害霊の呪いなら解除いたした。しかしアナタがお子様にかけた呪いはまだ残っている」  幼児の意識の表層にへばりつく穢れを除去した途端、カムフラージュされていた深層の穢れが石丸を襲った。  その際に石丸は苦しみの中で真実を悟ったのである。 「まァご冗談およしになってワタシにそんな技術など」 「呪いの一部をたったいま食らったから私にはわかる。教えた者がいるだろう? いったいどこの呪い屋(・・・)だ? 素人(シロート)が安直な心持ちで外法(げほう)に手を出すから家庭も乱れ、二次災害的に害霊を呼び込んでしまったので御座ろう」  石丸に厳しく問い詰められた杏はうなだれて涙ぐむ。  一方で子供部屋のドアがひとりでに勢い良く閉じて、正気に戻った幼児の泣き声とドアを叩く鈍い音が響く。 「助けて! 開かないよぉママぁ!」 「いかん! 待っておれ今ゆくぞ!」  急いで立ち上がろうとした石丸は杏に腕を掴まれて、予想外の腕力で引っ張られて床に押し倒されてしまう。 「いいの! あんな子いらないわ!」 「この力! 害霊に魂を売ったな!」  杏は石丸の服を破いて舌なめずりした。 「女みたいな顔でもカラダは男の人ねぇ」 「目を覚ませ! あの子が食われるぞ!」  むろん抵抗する石丸だが霊障の影響でうまく動けず、胸の乳頭部分を杏の舌にねぶられて反射的に()()る。 「二次災害っていうのは間違いよ素敵なお祓い屋さん。呪いはオバケの(エサ)ですよって意味の目印(マーカー)だって先生が(・・・)」 「我が子を始末するために害霊を手懐けたつもりか? 逆だ! いいように操られていると気づかぬのか!?」 「あの子のほうがワタシにとっちゃよっぽど化物(バケモノ)だわ。仕方なく産んであげたのに母親を奴隷(ドレイ)扱いしやがるの。あんな我儘(ワガママ)糞袋なんか存在()なかったことになればいい。そんなことよりワタシとキモチいいエッチしましょう」 「くぁっ」  習いごと感覚で中途半端な呪いの知識を得た主婦が、石丸の股間を(いや)らしくまさぐって性的に(たか)ぶっていく。 「あァんカタくして……マジメぶっても根っこは正直」 「それは私のお祓い棒で御座る」 「じゃあコレ使って……ワタシのオバケ(ここ)昇天させて♡」 「元よりそのつもりだッッ!!」  杏が握っていたモノは本当にお祓い棒であった。  石丸が杏の手を誘導して握らせていたソレが突然に、スタンガンのごとく電気を放出して彼女の全身に流す。 「あががががががががッッ!!」
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