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冬木と秋葉、二人の名前から冬と秋を取って「ウィンタム」。
俺が作詞、秋葉が作曲。演奏は二人のギターのみで始めたコンビ。このスタイルだからって訳じゃないけど、歌うのはフォークがメイン。
「どうだった秋葉?アイドルの作曲とか難しかっただろ?」
『まあね。でもいつもと違う感じで面白かったよ。勉強になった。本人達にも会えたしな』
「あっ、お前ばっかり!ズルいぞ」
動画サイトで歌ったりコンテストに参加したりしていた俺達の才能を、幸運にも認めてくれた人がいた。
特に俺の書く歌詞を鳥島さんは気に入ったと言ってくれた。だからこの人に着いて行こうと決めたんだ。
しかし、歌をブレイクさせるのは簡単じゃない。特に今の時代は。
最近は二人それぞれ別に、人の曲や歌詞を作る事が多くなった。才能を認めてくれているからだと言えばそうかもしれないけど。
『お前もアイドルの作詞だったよな。やっぱり難しかった?』
「大変だよ。もう30近いのに16歳の女の子になりきるのはさ」
『はは、しばらく近付くのやめようかな』
「バカヤロー」
『まあ冬木、冗談は置いといて、もうすぐ春だけど。
この冬はどうだった?』
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