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朝目覚めると、隣のアパートの屋根に積もった雪が倍になっていた。
その新雪が薄オレンジの陽光に照らされて、キラキラとまばゆい冬麗。
外から子供たちの楽しそうな声が聞こえてきて、私は隣に寝ている彼の腕からそっと体を起こし、二階の窓から地上を見下ろした。
カラフルなスキーウェアを着こんだ小学生たちが、各々におにぎりを握るような手つきをして、雪玉を作ってはぶつけ合って遊んでいる。
微笑ましい気持ちでそれらを眺めていると、一人の男の子が投げた雪玉が友達のランドセルにヒットして、雪玉はその衝撃で砕け散った。
それを見た瞬間、私の中に眠っていた記憶の欠片が不意に呼び起されて、あの日の光景と重なった。
私はあの日のことを思い出しながら、心地よさそうに眠っている彼の寝顔を眺めた。そして、無防備な彼の手をとってスルリと指を絡めた。
すっかり成長した男らしい大人の手を感じて、自然と口元が緩んだ。
私が思い出に浸っていると、いつの間にか目を覚ました彼が、つながれた手をグイっと引き寄せて、私はあっという間に彼の腕の中におさまる。
私がフフフと笑っていると、彼は眩しそうに眉根に皺を寄せてから片目を開けて「ご機嫌じゃん、なした?」と笑った。
私は「なんもないよ」と彼の体に抱きついた。
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