9人が本棚に入れています
本棚に追加
/72ページ
携帯電話
「………~」
ん……何か聞こえたような………
「……!…………~」
うるさいな…
静かにして……
………?
なんか…今…揺れたような………
大丈夫か……………
ガバッ
え?急に体が起こされ……
パチッ
「ほら、出来たぞ。おはよう、ゆず。寝不足か?」
……………朝か
「おはよう、瑞紀。……もう朝か~……。着替えさせてくれたの?ありがと」
「ほら、朝ご飯食べに行くぞ」
「柚紀起きたの?おはよう。瑞紀ありがとう」
「おはよ~、母さん。ふあ~」
勝手にあくびが出てくる
目が完全に開かない
「眠そうね~。今日学校休む?」
「母さん、そんなにすぐ休ませちゃまずいよ。まだ入学式しか行ってないんだから。今日から本格的な登校だろ?ゆず、座る前に顔洗いに行くぞ」
「…ん~……」
瑞紀に押されて、洗面所へと辿り着く
「大丈夫か?」
「ん~……」
バシャバシャっと顔を洗うと、だいぶ目が覚めた
「寝るの遅くなったのか?」
「ん~ん。ちゃんと早く寝た。でも、夜中に夢見て目が覚めて…。その夢がインパクトあったから、メモしておこうと思って、ちょっと書き出したら止まらなくなって…。気付いたらうっすら明るくなってきてて、慌ててもっかい寝た」
「あ~…。タイマーかけとかなかったのか?」
「ちょっとメモるだけと思って…。侮った」
やらかした…
今日が本格的な授業日じゃなくて良かった
「柚紀~、ちゃんとサラダも食べてね~?」
「ん~……」
葉っぱ……
チラリと隣を見ると、視線に気付いた瑞紀が、俺の皿の葉っぱを少しだけ残して、自分の皿に移し、代わりに自分の皿のトマトを俺の皿に移してくれる
「それ位は頑張って食べろ」
「ん、ありがと」
そう言って、朝ごはんを食べてると
ガチャっ
バターン!!
瑞紀と顔を合わせ、母さんと共に玄関へと向かう
「……父さん…」
玄関の上がり口に父さんが倒れている
「眞紀さん、眞紀さん……」
母さんが体を揺らしても、ピクリともしない
「仕方がないわね~。瑞紀、柚紀、運んでくれる?」
「行くぞ、ゆず」
「うん」
2人で父さんをソファーまで運ぶ
ドサッとソファーに寝かせる
我が家のソファーは、広々ソファーだ
父さんがこうして寝る為に
「これは、夕方まで熟睡ね。今日はお休みだって連絡がきてたから、限界まで頑張っちゃったのね~」
「頑張っちゃったのね~って、母さん……父さんだって、いつまでも若くないんだから、もう少し考えてもらった方がいいよ」
呑気な母さんに瑞紀が困った顔で言う
「これでも成長したのよ~。こんなに無理をするのは、お休みの日だけになったんだから」
「へ~……。って、あ!瑞紀、ヤバいヤバい!時間!」
せっかく起こして準備してもらったのに遅刻する!
瑞紀と2人で、朝ごはんを急いで食べ終える
「あら~。今日は遅刻ね~」
母さんは呑気に、父さんのネクタイを外し、スーツの上着を脱がせている
そんな簡単に遅刻出来るか!
「ご馳走様でした!」
「ご馳走様」
バタバタとカバンを取りに行き、
「「行って来ます!」」
2人して登校する
最初のコメントを投稿しよう!