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ヨミは、しばらくの間信じられないものでも見たかのように呆然としていたが、みるみるうちにその秀麗な顔に歓喜の色を滲ませ、目を潤ませながら勢いよく恵菜を抱きしめた。力強い腕に抱かれ、耳元で熱く囁かれる。
「本当によいのだな?二度と離してなどやれぬぞ。生涯そなたは余のものになるのだ。この先一瞬たりとて離しはせぬ」
「うん、ヨミ、ずっと、ずっと一緒にいようね……っ!ね、分かってる?私、けっこう嫉妬深いんだと思うの……!ずっと、私のことだけ好きでいてね……!私も大好きだから……っ!」
「何を世迷言を……余が他のおなごに?ありえぬ、想像もできぬ。そのようなことを口走るそなたにはしっかりと余の愛を思い知ってもらわねば」
腰を抱き寄せていた手のひらが、はじめは優しく慰撫するようだったのに、段々と手つきが変わり始める。恵菜の身体の輪郭を確かめるように、ゆっくりと背や腰を撫でていって。びくりと身体を跳ねさせた彼女にくすりと喉の奥で笑うと、ヨミは恵菜の耳の後ろをやわくくすぐりながら、その反応を楽しむように微笑んだ。
「愛い……もう我慢ならぬ。そなたの全てを愛でたくて仕方がない」
腹にすべり降りた手が、下腹部をゆったりとなぞる。円を描くように撫でながら、彼は耳元で甘ったるく囁いた。滴り落ちるような色気を含んだ声色だった。
「今夜はそなたの奥の奥まで、夜通し可愛がらせてもらうぞ」
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