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翌日「俺も空から、下が見たい」と、キハダは、ブルーの背中に乗せてもらい
「わぁ~高くて、気持ちが良いな~」と、青い空や、眼下の森を見て喜ぶ。
「あれ、あの木に、何か生ってるな」と、ブルーが、その木に止まる。
空に向かって、大きく枝を伸ばしている、大きな、その木には
ピンク色の旨そうな実が、鈴生りだった。
「これ、食えるのかな?良い匂いだけど」ブルーがそう言うと
「これは、ママンモモと言う、美味しい実だよ」と、キハダが教える。
「キハダ、知ってるのか?」「ああ、俺を育ててくれた人の、大好物だった」
「ふ~ん」ブルーは、一つ捥いで食べてみた。
「本当だ、物凄く甘い」「ジューシーだろ?」「ジューシーって?」
「汁が一杯って言う事だ」「うん、甘い汁が一杯だ」
「これは、滅多に無い、珍しい果物なんだぞ」
「へ~~じゃ、ヒスイ喜ぶか?」「ああ、絶対、大喜びする」
「よしっ」ブルーは、ママンモモの実を、両手に一杯抱えて
ヒスイの所まで飛んだ「あ、あそこだ」と、下降し始めた所に
いきなり、でっかいモモンガが飛び出して来て、ブルーの目の前を横切った。
驚いたブルーの手から、ママンモモの実は、バラバラと落ち
その一つが、運悪くヒスイの頭に当たり、熟れ切っていた実は
ぐしゃっと潰れ、ヒスイは、果汁まみれになった。
「ブル~~ッ」ヒスイが、大声で怒る。
「ヒスイ、ごめん」喜ばせようと思ったのに
怒らせてしまい、ブルーは、しょげかえる。
キハダから、事の次第を聞いた皆は
「悪気が有ったんじゃないから」と、ブルーを庇った。
もう一度、ママンモモの実を採って来たブルーは
ヒスイが、機嫌を直して、美味しそうに食べてくれたので、ほっとした。
ほかの皆も、美味しい美味しいと、喜んで食べる。
ブルーは、嬉しくなって、また一杯採って来た。
そんな事が有った森を抜け、だんだん木が、まばらな林になり
その先は、草原だったが、草は枯れはて
風で土ぼこりが舞うだけの傍に、小さな村が有った。
その村の、宿に泊まろうとしたが
「水が無いので、食事は出せません」と言う。
ここ数年、水不足だったが、今年は、まだ一度も雨が降らず
地下水も、もう、残りわずかになってしまい
村人の半数は、水を求めて、他所へ行ったが、明日こそは、雨が降ると
信じている者たちが、まだ残っているのだと言う。
その殆どは、外へは行けない、年寄ばかりだった。
地下水が有ると言う所へ行ってみたが、本当に、もう、ほんの少ししか無い。
「これじゃ、明日まで、持たないんじゃ無いか?」と、セイジが言う。
「ゲンロウ、雨は、近々降りそうか?」と、ベニーが聞く。
「いや、もう少し先だな」「それまで、この水は、、」
「枯れるだろうな」残っている、村人には、残酷な言葉だった。
「仕方有りません」「これも、我々の運命でしょう」村人たちは、そう言った
癌が、再発したため、入院して癌治療を始める事になりました。
このお話も、退院するまでは、おやすみという事になります。
いつも、読みに来て下さっている皆様には、申し訳ないのですが、、
書けるようになるまで、暫く待っていて下さいませ<(_ _)>
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