お祓い?

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「上がっても大丈夫?」 「え?」 「ひとり暮らしの若い女性の部屋だから」 「ああ」  考えてもみなかった。誰でもウエルカムじゃいけないんだった。 「えっと、じゃあ取り敢えず免許証でも見せてもらっていいですか?」 「だね。君はお友だちと違って何モノをもウエルカム状態だから、気をつけた方がいいよ。僕だから良かったけど、霊能力者だと偽って悪さする輩もいっぱいいるからね」  晴男は免許証を財布から取り出した。ふむ、偽名ではない。年は私より5つ上か。おお、ゴールド免許だ。安全運転する人なら信用できる。 「いかがですか?」 「はい。大丈夫です」 「あのね、免許証なんていくらでも偽造できるんだから、決して安心材料じゃないんだよ」 「じゃあ何を見て信用すればいいんですか?」 「誰も信用しないのが一番だ。親の言う事だけ信用していればいい。君の事を一番考えてくれてる人だからね」  物凄く納得した。その通りだ。誰よりも私の事を考えてくれているのはお母さんとお父さんだ。 「今の言葉でなおさら信用しました。どうぞ上ってください」  いざとなったら隣には美月さんがいる。大声を出したら来てくれる。いや、既に壁に耳を付けて様子を伺っているかもしれない。なんたって霊能力者が来てるんだから。美月さんが興味ないわけがない。 「ふむ……むむむ……」  晴男が一点を見つめ手を組んだ。そして何やらブツブツと唱え始めた。と思ったらいきなり手刀を振りかざした。 「悪霊退散!」  ビシッと手刀を振り下ろし、ふうとため息をついた。 「一体片付けたよ」 「……え?」 「天井からぶら下がっていた女がいた。首を吊って亡くなった人だね。恨めしそうにこちらを睨んでいた」 「ひーー」  早速1人片付けてくれたんだ。凄い。ん? 片付けた? 「それって除霊? 浄霊?」 「どっちでもない」 「え?」 「霧散させた」 「は?」
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