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「いいじゃん! やろうぜ!」
「やろうやろう!」
フーフーとスイスイは乗り気だ。カラオケは嫌いじゃないけど、こんな大勢の前じゃ……。
「大丈夫だって! 俺ら目の保養って言われてるんだから失敗したって笑ってくれるよ!」
フーフー、ハート強いな。渋っていたらフーフーとスイスイに連れられてステージにあげられた。
「俺らくらいの年齢だと、この曲がベストだろ!」
フーフーは勝手に曲を決めてマイクを持つ。スイスイも持って僕にも持たせる。知ってる曲だけど……。
『曲がりくねり♪』
意を決して歌い出す。するとお父さんが合いの手を入れだす。
「お父さんは真っ直ぐ翡翠のもとに!」
『青葉の森で駆け回る♪』
「そんな翡翠を追いかける!」
『遊び回り 日差しの街』
「疲れたんならお父さんの胸に飛び込んで!」
瑠璃お兄ちゃんが頭を抱えていた。でも僕は面白くなってノッてきた。
『誰かが呼んでいる♪』
「お父さんに決まってるでしょ!」
『夏が来る♪ 影が立つ♪ あなたに会いたい♪』
「お父さんもだよ!」
『見つけたのは一番星♪』
「翡翠はお父さんの一番星だよ! あ、瑠璃もだよ!」
「うっせぇよ」
瑠璃お兄ちゃんが頭を抱えたまま呟いてる。
『明日も晴れるかな♪』
「翡翠のためならお日様も頑張るさ! お父さんのようにね!」
フーフーもスイスイもクスクス笑っている。それを見ていた伊織先生も何か言いたかったようだけど、お父さんみたく上手く思いつかないみたいでハンカチを噛み締めていた。
なんかお父さんがお父さんで良かった。瑠璃お兄ちゃんは呆れているけどね。
『パプリカ♪ 花が咲いたら♪』
「にょんたんずは綺麗なお花だよ!」
周りを見渡したら良お兄ちゃんが渋い顔をしている。
「俺、このあとド○えもん歌うの?」
バリバリやる気だ。ちゃんとしゃらららら歌ってね。僕らだって聞きたいもん。
四月に続くよーー!
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