闇に棲みつく正体

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闇に棲みつく正体

チュンチュンと小鳥の鳴き声が長閑な空気をゆらしている。 今日は暖かく風も弱い麗らかな天気だ。 今年は例年より遅咲きの桜が満開見せていて、ゆるりと風が花弁を落とした。 何度も歩いた帰り道も、今日はなんだか特別な気分にさせてくれる。 今日は新学年最初の登校日だった。 2年A組14番の白浜空の、新しい学年を掲げた新スタートだったのだ。 〜〜♪〜〜♪ そんなふうにのんびりと歩いていた時。 突然、機械的な音が鳴り響いた。 発信元は空の手の中。彼女のスマホだ。 3コール目の着信音の後、通話ボタンをタップし耳を押しあてる。 「はい。白浜です。」 「こちら倉井よ。急に呼び出してごめんなさい。至急、向かってほしいところがあるわ。 場所と詳細はメールで送ってある。 今から行けそうかしら?」 「問題ありません。」 「OK。 危険度はB。一応注意しておいてね。」 「了解です。」
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