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何度も顔を上げては下げ、額を床に擦り付ける。
そこで、漸く気が付いた。
アイが着ているTシャツに見覚えがある事に。
赤いTシャツの所々が黒ずんだ斑点が付いているものの、デザインとロゴからして、リナが愛用していた部屋着と完全に一致している。
同時に、帰宅直後のアイの言葉を思い出す。
『お風呂掃除途中なんだよね』
俺は、這うようにして風呂場へと向かった。
「あ…………あぁ…」
風呂場は惨い状態になっていた。
壁には血の飛沫が飛び散り、床には細かい肉片が散らばっていて…
肉を削がれた骨もいくつか無造作に纏められていた。
ボディー用のスポンジから滴る血液は、どす黒い。
充満した血の臭いに、またもや吐き気を催し、その場に蹲る。
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