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これは確信じゃない。
可能性が少し高くなっただけ。
アキがカミシロ山へ行ったなんて、ナツは信じたくなかった。
『ナツ? 聞いてる?』
「あぁ、聞いてる」
『それで、その……どうする?』
「どうするって?」
佐々木が何を言いたいのかナツには分かっていた。
だけど、敢えて聞き返した。
『カミシロ山……行ってみる?』
「行かない」
『え?』
「なんだよ?」
『ナツ。アキちゃん、探しに行かないのか?』
それが当たり前のようにナツへ聞いてくる佐々木。
「なんでオレがアキを探しに行かなきゃいけないんだよ」
『だって……』
「アキと安田がカミシロ山へ行ったっていう確かな証拠はない。もし本当に行ってたら、理由は何にしろ勝手にカミシロ山へ行った奴のためにオレが呪われろって?」
『そこまで言ってないだろ』
「今、オレに『行ってみる?』って聞いたよな。佐々木は呪われると分かっててカミシロ山へ行けるのか?」
『それは……やだけど……』
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