第1話 静かな戦い

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第1話 静かな戦い

 人間たちが当たり前に住む、コンクリートジャングルの『人間界』。  祓われるべき悪魔たちが棲む自然豊かな『魔界』。  死後の世界、黄泉の国といわれる静かな『霊界』。  そして崇められるべき天使たちが住む、厳しく正しくあるように定められた『天界』。  たくさんの世界があって、そのどれもがひとつの独立した世界として成り立っていた。  しかし、人間たちが新しい土地を求めて魔界へと侵攻していった。その過程で霊界の長は殺され、その機能は完全停止してしまった。  ──世界は、混沌に堕ちていく。  戦いの末、悪魔が勝った。その結果、罰として侵攻のリーダーの魂は人間界、霊界、魔界を繋ぐため、死神王により土地に縛られた。  魔界が少しだけ平和になったあと。とある男は人間界に帰り、人間界と魔界の交流を成功させた。それを可能としたのは、彼が正義のために逮捕した一人の発明家の悪魔だ。  ──これは人間たちが人間界に帰ったあとの話である。
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