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〜girls side〜
教室の後ろで集まっている美形2人をチラリと盗み見る。
昨日はもう1人いたけどまだ来てないのかなと、友達の話も聞かずに昨日の3人組のことについて思考を飛ばす。
「あっ…」
思わず漏れた驚きの声は喋っていたはずの友達にも聞こえていたらしく視線の先を辿られる。
今入ってきた彼は雪のように白い肌とは対照的な黒く艶めいている少し長めの髪を靡かせて前のドアをくぐり自分の席へと向かっている。その瞳は前髪が影を作りどこを見ているのかはわからない。だがそんな彼の姿は独特の色気が出ているようにさえ感じられる。少し気崩された制服も彼の色気を増幅させる要因になっている。
思わずごくりと唾を飲む。
見つめすぎたことに気がつき友だちに意識を戻す。
昨日と同じ3人組が話し始めたのを見てから友達が呟く。
「顔面偏差値カンスト組が揃った…」
その言葉に思わず頷く。
「あそこだけなんか後光が差してる」
「この学園美形多いけどあそこはレベチ」
「虹野くん綺麗すぎて自信無くしてきた」
「分かる。あれだけ綺麗だと女として自信無くしてくるよね」
「でも横顔がすんごく綺麗」
「鼻筋が完璧すぎる」
「虹野くんって掘り深めだよね」
「あの鼻筋を滑ってみたい」
「「…え?」
「え?」
それはちょっときもいかも
「ま、まあとにかく。それぐらいに綺麗な鼻筋ってこと」
「(ごまかしたな)あの3人はほんとにイケメン」
「本当にこのクラスで良かった」
「毎日王子を見れるから嬉しいよね」
「…彫刻みたい」
「彫刻?」
「なんか造形美がすごくて」
「なるほどねー……ちょっと分かるかも」
「でもやっぱりイケメンだな〜」
「これ絶対女子の派閥割れるよね」
「あー王子派と彫刻派?」
「もう彫刻って言ってるし」
「でもなんか納得。ぴったりかも」
「なんでもいいけどさ」
「「「やっぱりイケメン〜」」」
ちなみに、彫刻と呼んだことが広まり女子が王子派と彫刻派と呼ばれる派閥ができることを彼女らは知らない。
今日も学園の女子は平常通りである。
〜girls side end〜
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