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サトキンはいつも、僕ら3人のまとめ役。
「道元くん、だっけ?俺と一緒に、映研入らん?」
キレイでかわいいものへの憧れを必死に隠して、クラスの中では目立たない僕。
かたや、美形な上に男子用の制服を着ていて、めっちゃ格好いい、と全学年の女子たちから憧れの視線を送られるサカキ。
全く共通点のない僕らが友だちになれたのは、映画研究会に勧誘してくれたサトキンのおかげだ。
「僕さ、いつかこの3人みたいになりたいんだ。……男なのに、おかしいかも知れないけど」
ふたりの前でだけ、僕は本当の自分をさらけだせる。
「別におかしくなんてねーよ。好きなもんは好きでいいんだから」
物事の見方がフラットで、僕を力強く肯定してくれるサトキン。
「自分がおかしいのかも、ってモヤモヤする気持ちはわかるよ。……ボクも、いまだにカミングアウトできてないし」
僕と同じように、ジェンダーに関わる悩みを抱えてて、お互いに共感しあえるサカキ。
たとえ、たったふたりでも、本音で話せる友だちができたことは、すごく幸運だったと思う。
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