日常8【side.ノア】――過去との決別

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「……パスカルとも会う約束してる?」 「時間が空けばその都度適当にな。あいつは『一度も実家に帰るつもりない』と断言してたし、基本的にインドアだから。ほとんどアパートにいるんじゃねーかな」 「あいつも独りぼっちならウチに呼んでいいよ?」 「『あいつも』って何だ。ノアもパスカルも独りぼっちなんかじゃないだろ?」 「……そうだよな。変なこと言ってごめん」  アニキが席を立つ。冷蔵庫から七味唐辛子を取り出してきたアニキは、席に戻る前にオレの頭を撫でた。 「家族(・・)に気ィ遣わせたくなかったが。ノアがオッケーしてくれるなら、三十一日にパスカルを呼んでもいいか?」 「オレは大丈夫だよ。三人でテレビ見ながら美味いもの食べようぜ。今年は面白そうな生放送いっぱいあるんだ」 「んじゃ誘っとく」
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