33

1/1
729人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ

33

ダル重い足腰、寝不足の身体にムチ打って、パソコンに向かい事務仕事をこなす。 そういえばと思い出した。 斜め向かいの席に座っている同僚の中村くん。通称 中ちゃんは、会社の単身者用の社宅に住んでいる。 昼休みに会社の社宅の空きがあるか社食で聞いてみた。 因に、今日は焼き魚定食にした。 管理人に早速 聞いて貰えて、丁度先週にひと部屋 空いたとの事だった。 中ちゃんからは、社宅には冷蔵庫、洗濯機等の家財道具が揃っていると、聞いてはいたが、間取りとかどうなのかも気になり、中ちゃんと一緒に空き部屋を仕事が終わったら見せてもらう事にした。 定時に仕事が終わり、中ちゃんと一緒に社宅まで歩いて行く。 社宅は会社から歩いて15分位の所にあり、8階建てで社宅にしては外見も良いし、管理人室もある。 管理人さんがニコニコしながら、 エレベーターに乗り、空き部屋の3階の305号室を案内してくれた。 「どうぞ、ゆっくり見て下さいね」 「「ありがとうございます」」 中ちゃんも部屋に入る。 「お邪魔します。外見も意外と綺麗だったし、へぇー、間取りもいいね。リビングがあって寝室もあって、トイレと、あ、バスルームも別だ。良いね。家財道具も備え付けなんだよね?」 「そうそう。洗濯機とか壊れたら管理人さんに言えば買い換えてくれるって。どう?松山、気にいった?」 「うん、気にいった。ここに決めた。なるべく早く引っ越ししたい。明日でも、明後日でも良い。有給使って引っ越しするし」 「ははは、何だよ、それ。急だな。」 管理人さんが後ろに居たので、ここに引っ越ししたいと願い出て、明後日、引っ越しに決まった。 中ちゃんは部屋で飲まないかと誘ってくれたが、この後は用事があると言って断った。 社宅をそそくさと出て、喜一さんと会う前に、今度は自宅に向かう。
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!