其ノ捌🥷三南圭と言う男🥷   

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其ノ捌🥷三南圭と言う男🥷   

こ、こいつ… 何者だよ。 三南圭(さんなん=けい)と言う男が、 何者かどうかなんて 決めるのは、後でもいいが。 以前私に向けたドス黒い敵意の正体は この男からだったのだろうか。 圭「殺気は、露骨に放出させては いけないよ、プリンス殿」 耳元で甘く違った声音が、私自身を 支配させるので慌てて後退りする。 私「てめ!」 圭はなにかの気配に勘づいたのだろう。 私の口を右手で抑え込み。 圭「君や君の仲間は、おそらく奴等に 見つかってしまっているね」と 謎のお告げを私自身の口を塞ぎながら 鼻歌ぐらいの音域で、話を続ける。 圭「しぃー!ここは図書室。静かにね」 私「モゴモゴ!」 圭「静かに出来る?」 頷くのが精一杯だった。 圭はよし、と短く言葉を切り確認し。 彼の冷たく綺麗な細長い指先から スッと解放された。 ーぷはぁー 圭「安心していいよ、僕は君の敵ではなれないし、ならないから」 と切り返す。 圭「僕等はたまたま、図書室で顔合わせしたばかりの、まだ赤の他人同士。いいね?」 そう、圭と言う男に念を強く押される。 私「…ああ」 それにしても、と彼は言葉をトッピングさせ 圭「君は、良くも悪くも馬鹿正直だ。表情にもそれは現れる。私生活でなら良いかも知れない」 私「何が言いたいんだよ、狐目野郎」 圭は淡々とした表情のまま 圭「馬鹿正直は、そのままの言葉の通り、 賢くないのさ。と僕は言いたかっただけ」 私「…」 圭「言うだろ?※バカとハサミは使いようって」 彼は私や聡美達の関係や、今迄の 事件の事をなにか知ってるかも 知れないと、踏んだ。 と、刹那。 刺すような視線に私と圭は、気がついた。 圭は私に目線をやり、圭自身に口元に 指で合図をまず送る。 圭『君がおそらく言ってる何かが、直ぐ側まで来ている』 読心術は習ったことは無いが、分かりやすく 口で合図をする圭。 私『了解』と返答を指で合図する。 圭『移動しよう』
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