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魔術士でないのに魔術が使えるって……
「そんなことあるの?」
「ある。…といっても俺達が使う魔術とは少し違う」
「???」
頭の上にいくつものハテナマークが浮かぶ。
東雲くんはまだテーピングされている右手人差し指で空気中を指差す動作をした。
「昨日、魔術のもとの話をしたよね」
「プリマ・マテリア?」
「そう。空気中のプリマ・マテリアと、体内のプリマ・マテリアを共鳴させて魔術は生まれる。
……このとき、体内のプリマ・マテリアが多い人ほど強力な魔術になるんだ」
「多い少ないがあるんだ」
「ああ。シンプルに言えば、魔術士はみんな多いんだ。ある程度、一定の数がないと魔術は使えない。そしてこの一定の数をクリアしている人はあまりいないんだ…」
「魔術士はみんなクリアしてるの…?」
「ああ。更にプリマ・マテリアの数は基本的に遺伝によるものが大きくて、だから魔術士の子供は魔術士になれる素質がある。逆も然り。
これが、魔術士が家系によるものである大きな理由の一つだね」
「ほうほう」
じゃあ、いくらわたしが魔術を使いたいと勉強しても、そもそも体内のプリマ・マテリアが少ないと無理なのか。
……何だかさみしいな。
「で、ここまでが基本なんだけど。
……ときどきいるんだよ。魔術士の家系じゃないけどプリマ・マテリアが多い人」
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