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小弥太の家のポストはすぐ詰まる。
いつの頃からか郵便屋さん主導で、どこの家にも同じ大きさのポストが掲げられるようになった。その大きさ制限が年々小さく小さくなってきている。
小弥太は、手紙を使う率が高いのかもしれない。
今の時代、電子メールが優勢なためにポスト自体が縮小傾向、郵便屋さんの人員整理も進み、手紙はごくごく少数派へと追いやられている。
でも。即レスが可能で、いったん送信を押してしまうと回収不能で、同じフォントを選べば誰が書いても同じ字体、いかにも事務的なメール。
対して手紙には、インクや鉛筆の使い方の個性に、筆跡の特徴、手書きの温かみ。届くまでの待ち遠しささえも楽しみなレトロさがある。
そんな風に感じてからというもの、小弥太は個人的なやりとりには手紙を選ぶようにした。
最近できた「彼女」の影響だ。
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