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細かいことが気にならないくらい、人を好きになりたい。
「本気で人を好きになりたーい!」
「私もー!」
我慢ではなく、そんなことがどうでもよくなるくらい、人を好きになりたい。
「二人でカラオケ行くか」
「よし、行こう!」
「くるみ、いい男いたら紹介してよ」
「私が選んだ後でいいならね」
「言うね〜」
スマホを取り出すと、私は電話帳から優吾の連絡先を消した。遥斗も、理玖も、淳弥も、凌も、別れるたびにリストから消した。いつもやるルーティンだ。
そうすることで私の思い出をリセットする。これからもっと素敵な人と出会って上書きするために。
「どうやって好きになったらいいんだろね」
「え、結局そこに戻るの?」
「あ、カラオケあそこだ」
「話噛み合ってなくない?」
お母さんにも男を取っ替え引っ替えって言われた。けど、やっぱり妥協も無理もしたくない。
「行こう」
私たちは、カラオケ店のドアを開けた。「いらっしゃいませ」と、かっこいいバイトの子が出迎えてくれた。
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