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恋愛遍歴
「そうだ、忘れないうちに消しとこ」
「何を?」
「遥斗の連絡先」
ラインストーンがいっぱい付いているかわいいスマホカバーに、お気に入りのネイルで気分が上がる。タップしながら電話帳から遥斗を消した。
その様子を隣で見ていた親友のくるみに「六花は飽きっぽい」と言われた。
「そんなことないよ」
「だって、今回の彼は三日ももたなかったじゃん」
「柔軟剤のにおいが合わなかったんだもん。めっちゃきつくて」
「においが嫌だから柔軟剤変えてって言えばいいじゃん」
くるみが隣でため息をつく。
「だって、遥斗は実家暮らしなのに、柔軟剤変えてって言ったら、遥斗のお母さんが私に合わせないといけなくなるじゃん」
「そう……かもだけどぉ」
「そこまで背負わせられなくない?」
「まぁ……」
私も柔軟剤は使うけど、あのどぎついにおいは無理だ。香害そのもの。通ったあとが分かるくらいの残り香で、すぐに遥斗だと分かる。あのにおい好きじゃないから余計にきつい。
「我慢してまで付き合う意味ってなくない?」
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