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うららかな春が来た。
カラスのママレモにとって、待ちに待った春である。
「もうすぐだよねー。この桜並木の桜の花が咲いて桜色に染まるのは。」
カラスのママレモほ、立派な枝を四方八方に遊歩道を沿って聳える桜の木に花がいっぱい咲いて、花びらが舞う中を飛ぶのが毎年の楽しみだった。
「あーーー!!ブロッサムシャワー!!
桜の花びらを全身に浴びて!!
桜の木に停まってるウグイスもメジロもスズメも私の花びらだらけの姿ビックリしてさ。
そうそう。桜の木のお愉しみはまだまだあるわ!!
桜の木の下で、人間どもがワラワラ集まってここでシートとか敷いちゃって、
飲めや歌えやのドンチャン騒ぎをするのね。
そう。『お花見』よ。
その『お花見』で、おこぼれの食い物を失敬するのが恍惚なスリル!!
食い物を失敬された人間に追いかけられてさ。その無事にくすねた食い物を食らうと、その美味しさったら!!
それに、『お花見』の後ね。
人間が『お花見』のした後に必ず、地面に食べ残しがあるからね。
ゴミ捨て場の生ゴミも宝の山ね。
それこそ『花より団子』かしら。
本当に早く咲かないかしら?桜の花!!
今からワクワクするわ!!」
カラスのママレモは、立派な桜の木が延々と並ぶ沿道を目指して翼をリズミカルに羽ばたかせて飛んでいった。
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