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エピローグ
全てが終わり、帰宅すべく王城の長い回廊を歩いているドラキュラ夫妻は同時にため息をついた。
「この騒動はなんだったんだろうな。振り回された感がハンパないのだが。」
「本当に。」
*
あの後、ディルク王子も加わって豪華な晩餐会が開かれた。どちらかと言えば慰労会の側面が強かったが。
白雪姫と王子の婚約解消が無事に終わったら、白雪姫とマーリンの婚約が発表されるそうだ。
やはり女王は白雪姫に甘い。
*
「カーミラ大丈夫? 疲れていないか?」
伯爵が優しく聞くとカーミラは頷き、夫を見上げた。
「どうした?」
魅力的に燃える赤みがかった黒い瞳にさらさらとした漆黒の髪。
「私の旦那さまが一番素敵なのよね……。」
「突然なに?」
「ねえヴラド。これからも百年二百年、一緒にいてくれる?」
伯爵は波打つ金髪に赤みがかったオレンジ色のを潤ませた美しいカーミラの頬を撫でた。
「永遠だろう?」
カーミラは輝くような笑顔を浮かべた。
「さあ、やっと二人きりで別荘へ行けるぞ。」
「約束、覚えてくれていたのね!」
二人は仲良く腕を組んで回廊を歩いていると、後ろから宰相に呼び止められた。
「ドラキュラ伯爵、奥方さま! 女王さまから至急お戻りくださいと! 嫌がるなら鏡が召喚するぞ、と!」
「イヤですー!!」
【終わり】
*おまけ*
その後夏が来て、白雪姫はマーリンとともにメロンをたくさん食べた。
そして一年後にはシンデレラの結婚式で、見事な水芸を披露するのだった。
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