大成功したカブトムシの話

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大成功したカブトムシの話

大成功したカブトムシの話をします。もちろん車です(笑) そして本名は、VW・タイプ1。検索してみてください、一度は見たことがある方多いのではないでしょうか。 ノーズがキュッと窄んでいたり、愛らしいヘッドランプはクラシックカーを象徴するもの。1938年から、ほとんど姿を変えず2003年まで生産されました。そして生産台数なんと約2150万台(!) こんな不思議な生きた化石、気になりますよね!! ということで、フォルクスワーゲン・タイプ1の沿革を軽く紹介していきます。 *** 実は、自動車ショーの席でヒトラーの考えた案がタイプ1に大きく繋がります。その案が、「アウトバーン(高速道路)建設と小型大衆車製造」です。 そしてヒトラーは、後にスーパーカーメーカー・ポルシェを創立する「フェルディナント・ポルシェ」に大衆車造りを任せたんです。更に1000マルク(現在の200万円ほど)以下で造れとの事でした。車といえば富豪のおもちゃという時代の中で、200万円はキツかったのでしょう。ですが肚を決めて、彼はヒトラーと契約を結びました。さまざまな事を慮りながら、1938年プロトタイプKdF-Wagenを作成。賞賛するヒトラーでしたが、自ら戦争を起こしてしまったため、KDFをベースとした戦車の生産に一時期移ります。その際作ったキューベルワーゲンなどは、今でもタイプ1と並んで名高い人気があります!しかし工場が被爆してしまいます。 戦後は、ハーストという人物が廃れた工場を復興させました!そして、ここで名前をタイプ1と改めます。それから、タイプ1は次々と売れていきました。フェルディナント・ポルシェはナチス党に反対していたため、犯罪戦争として刑務所に収容されてしまいます… しかし、枢軸国に貢献したのは事実で、ある程度の自由が認められました。なんだかこんな形でヒトラーが登場するの不思議ですよね〜 その後ポルシェはすぐに釈放されましたが、患っていた病気により1950年にご逝去されました。 *** 歴史はこれで以上です。意外な人物が関わっていたり、大衆車を先駆けしていたりと、壮大でしたね。最後にこの車の面白いところを3つ紹介します。 1つ目が、冷却方法。走行中、無論エンジンが暑くなりすぎるとオーバーヒートしてしまいます。そこで普通はラジエーターというのがあって、そこに入っている水で冷却します。それを水冷と言って、一般的にどの車にも使われています。しかし、この車はそうではないんです…!!彼は、空冷(空気で冷やす)でした。だからよくオーバーヒートしてたとか(笑) 相当コストカットしなければならなかったですからね〜 妥協するほかないです。 2つ目は、駆動方法。普通エンジンといったらボンネットの下に設置してありますよね。概ね大衆車は、それで前のタイヤを(FF)、高級車は後ろのタイヤを駆動(FR)するものもあります。しかし、この方は特別なんですよ。RR、つまりリアにエンジンリアで駆動。あまり見かけませんよね〜 本来エンジンがあるはずのボンネットがラゲージルーム(トランク)になっています(笑) 3つ目は、パクリ疑惑。プロトタイプ(試作品)の作られる一年前に、チェコのタトラという会社がT97という車種を出しました。申し訳ないのですが画像が貼れないので、是非検索してみてください。それが、恐ろしいぐらい酷似しているんですよ(笑)見た目にしろ時期にしろ、これは正直パクリだと思いますね〜… しかし、フォルクスワーゲンがタトラに訴えられて、しっかり賠償金も払ったみたいです。良かった。 *** こんな不思議な車中々ありませんよね。部分も流通しているし、ミニと並んでクラシックカー初心者にオススメですね^_^
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