2人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
僕はお腹を空かせていた。
周りは見渡す限りの草原で、建物は何も見えない。
僕は歩き疲れてふらふらになっていたけれど、それでもあてもなく歩き続けていた。
せめて水が飲みたい。
水は何処だ…
道なき道を歩くと木々が見えてきて、細い道が見えてきた。
その道に入って行くと、木々がうっそうと生い茂っている林の中に入っているような感じだった。
さらに歩き続けると水の音が聞こえてきて、水が湧き出ている場所を見つけた。
僕はその水を飲もうかどうしようかと思いながら、水が湧き出ている場所にしゃがみ込むと、僕の目の前にプラスチックのコップが差し出された。
そのコップは僕の顔の右側から差し出されていて、差し出された手をたどるように右を見ると、右手にコップ、左手に水筒を持つ女の子が立っていた。
その女の子は、僕と同じ小学生のように見えた。
「この水でよければ飲んで…」
女の子は笑顔で僕に話しかけてきた。
僕は、
「ありがとう!」
と言って、コップを手に取って一気に飲み干した。
その姿を見た女の子は、さらにコップに水を入れてくれた。
僕はその水も一気に飲み干してから、
「君は小学生?」
と質問すると女の子が、
「小学5年生だよ!」
と教えてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!