隠れた衝動

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隠れた衝動

☽ 「……る、」 「…………」 「……る、うる」 少しハスキーな声に呼ばれ、はっと目を覚ます。 微睡の中、必死に状況を模索していると、目の前に現れたのは恐ろしいほど美麗な男。 「……れい、ひ」 小さく呟けば、麗日はこくりと頷いた。 わたしの掛け布団を捲り、彼は口を開く。 「俺、いまから仕事」 「いま、から……」 もう朝……? 辺りが暗い気がして、目を凝らして時計を見ると。 なんとまだ深夜と言うべきか……早朝3時。 こんな時間から仕事だなんて、さすが【レイ】だとしか言いようがない。 「そ。うる、起きたときに俺がいなかったら寂しくて泣くだろ」 ……別に、泣かない、はず。 ちょっと悔しくてそっぽを向くと、麗日は軽快に笑う。 まだ眠気が飛んでいないために目を擦っていると、彼はわたしに再度掛け布団を被せてくれた。 「起こしてごめんな。じゃ、行ってくる」
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