男爵

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「晩餐はさせて頂きたい。今からですと田畑の方には時間がかかるので明日に。今夜はゆっくりとしてください。医者は……陛下がおられるので必要なものを用意させてもらいます」 「そうだな。包帯とアルコール、真水があれば水と、清潔なタオルは多めに。クレアも気が張っていたのと移動で疲れてるし、薬での痛み止めももう使わない方がいいから今夜あたりまた熱が出るだろう。魔草はあるか?」 「あります。ある程度のものならば」 「この地域に生えている氷花があるだろう?もう芽が出てるか?」 「それがまだ。時期的にはそろそろですが、今年は少し遅いようで。詰んで魔法で固めたものなら」 「エキスがいるんだがな」 「明日畑の方に行かれたらもしかして芽が出ているかもしれません」 「分かった」 荷物を部屋に運びたいとそれぞれの部屋に別れて、ベッドにダイブする。 「おおー、ふかふか」 「良い作りですね。調度品も彫り物が凝っていて……どこの国でしたっけ?」 「ヨーロッパとか?そっちっぽいね。他の部屋はどうなんだろ?」 暇だからと各部屋を見ると、作りは同じだが、結月の部屋は白で統一されているが、ベッドを勝手に移動したのか、真ん中に鍋が置かれている。 人様の屋敷で鍋をかき混ぜる気か!
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