その先に

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その先に

閉じ込められてから生体リアムがかなりの数がいることに驚いていた所、後ろから声をかけられて振り向くと、昔と変わらないリアム。 本物……では無いはずなのだが。 50年前、狭間に閉じ込め一度は失敗し、二度目は声も出せない、外にも漏れない、魔臓器も破壊し、王三人がいないと開かない狭間に閉じ込められたリアム。 出てこれるはずは無いが、その爪痕は未だに残っており、目の前にいるのが本物と言われてもおかしくは無い。 ルーカスでさえかなり警戒をしていて、半変化とまでは行かないが角が出ているほどだ。 「そう警戒なさらなくても」 「お前……偽物だろ」 「ルーカス、相変わらず決めつけはよくありませんよ?」 「その言い方が本物っぽいのがムカつくが、聞きたいことは山ほどある」 「偽物ならば情報なんて持ってませんけど」 「本物とも言えないだろうが!」 「ど、どっち?」 「奏太、盾で後ろのリアム軍団止めておけ。俺はこいつに用がある」 「わ、わかった!」 やはりルーカスとリアム、そして結月の昔からの関係と、裏切られた恨みのような悲しみ。 色々なものが混じりあった感情がひしひしと伝わってくるので、盾を張ってゆっくりと這い上がってくる水槽リアムを止めることだけを考える。
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