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「ここに集まった諸君は、この国の未来のために存分にその特殊能力を生かし――」
嘘だろ? 平々凡々な俺が0.5%しかいないスペスキ持ちになるのか? 一体何の能力を貰えるって言うんだ。
勉強も運動も中の下くらいの成績。そんな俺には縁のないものと思っていたのに……
まさかの華やか街道に転換!? おいおい、この後の人生盤石か!?
集められた30人ほどが並んだ順に一人一人お告げがされていく中、ついに俺の出番が来た。
精一杯普通に取り繕うものの、内心ドキドキだ。
「さぁ、ここに手をかざして?」
L-SAMOの制服を着ている神官の男性に丸い透明な球体に手をかざすように言われてそうすると、その球体にボワッと文字が浮かび上がった。
「君に付加される能力は……」
神官は言葉を止めると、顔を俺から背けた。
隠したってわかる。笑いを堪えてるんだろ?
わかるよ、俺にもその文字は読めたから。
あぁ、華やか街道なんて期待した俺が間違いだった。そんなキラキラした道を俺なんかが歩けるわけがなかったんだ。
「君に付加されるのは……空腹感がわかる能力だね」
いらねー。
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