嘘と冗談

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嘘と冗談

「今日はエイプリルフールだね! ね、私、貴方のこと本当は大ッ嫌いなの。あはは! 冗談だよ。でね、もう我慢できないから貴方のこと殺そうと思う! ずーっと我慢してたんだから、もういいかなーって。あはは! これも冗談だよ」 冗談と、 「私みたいな存在がーって、私、自分のこと、ずーっとそう思ってた。だから好きな人に振り向いてもらえなくても、仕事がつらくて吐いちゃっても、私が悪いんだ、私のせいなんだ、もっと頑張らなくちゃいけないんだって思ってた。でもさ、貴方はさ、私のそういうところを、わかっているのか、いないのか、私のそういうところを利用したよね。私、貴方のストレス発散の道具として産まれてきたんじゃないよ?」 嘘。 「私みたいな存在、本当にどうなってもいいの。だから『人殺し』って責められてもいい。逮捕された先で凄くつらい思いをするかもしれない。覚悟してるけど、全然足りてないだろうなあ。でもね、いいの。だから貴方のこと、殺すね?」 貴方には、 「え? 『嘘だよね?』って・・・。あはは! ねえ、『冗談』と『嘘』の違い、わかる?」 違いがわかりますか?
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