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元カノからのメール
「春目シーラが死んだんだってよ」
スマホから聞こえてきた大学時代の友人の言葉に僕は凍りついた。
頭蓋骨の中から金属板で折られた紙飛行機が飛び出していくようなおかしな音が鳴った気がする。
思っていたよりも、想像していたよりも、無意識に僕は彼女のことを重く考えていたのかもしれない。
だけど、口をついて出たのは、
「そうか」
という芸のない言葉だった。
普段なら口から出まかせ、耳障りのよい台詞が吐けたかもしれないが、この時ばかりはできなかった。
「なんだ、冷たいな。元カノだろ」
「随分と前に捨てられたよ。……いつ、亡くなったんだ?」
「死んだ時期が聞きたいのか? 死因とかはどうでもいいのか」
「そうだよ」
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