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うた先生のばーすでぃ直前♪ 僕らで作ったんだ♪
桜葉。上白糖。道明寺粉。こしあん。食用色素。
にょんたんずの三人は、三人で集めたお小遣いを手にスーパーをまわる。
「レシピだとこれくらいかな?」
「チェックチェック」
フーフーが睨んでいたメモをスイスイが覗き込む。
「翡翠もチェックして」
「フーフー、大丈夫だよ。そんな多いわけじゃないし」
「でも気になるじゃん。瑠璃お兄ちゃんが見てくれるって言っても俺らのはじめての料理だぜ?」
「そうだけど、スーパーもう五周してるんだから会計しようよ」
「フーフー、翡翠の言うとおりだよ。時間もそんなないんだから」
珍しく心配症を発揮しているフーフーにスイスイもうんざり。
「じゃあいいか」
やっと諦めたフーフーにはスイスイははぁと息を吐いた。
会計を終えてにょんたんずは翡翠くんの家までダッシュ。
「瑠璃お兄ちゃん買ってきたーー! エプロンエプロン!」
「翡翠、慌てるなって」
にこやかな瑠璃くんは、にょんたんず三人にエプロンをつけてあげて調理開始。
「まずは桜葉の塩抜きだね」
「で、水と砂糖炊いて」
「食用色素もね」
瑠璃くんがレシピを確認しながらにょんたんずに指示を出す。口は出しても手は出さない約束だ。
「火傷しないようにね」
見ている瑠璃くんは、ハラハラ。それでも一生懸命なにょんたんずに手は貸さない。
「で道明寺粉入れてから、寝かすよ」
ちょっと休憩。瑠璃くんがみんなにココアを淹れてくれる。
「まさか、翡翠たちが料理したいって言うなんてね」
「だって僕たちは大きなことできないもん。でも喜んで欲しいもん」
「きっと喜ぶよ」
休憩終了。こしあんを丸めて、炊いた道明寺粉で包んで桜葉でクルッ。
「できたぁーー!」
「タッパに詰めないと!」
「急げ急げ!」
にょんたんずは急いで詰めて、袋に入れる。
「じゃあ瑠璃お兄ちゃん、あとで!」
にょんたんずは駆け出す。待ち合わせ場所は、うた先生御用達の喫茶店。飛び込むと扉がカランカランと鳴る。
「うた先生! 僕たち桜餅作ったの! ハッピーバースデー!!」
今日は、うた先生のバースデーパーティの日。パーティが始まる前に待ち合わせして、先駆けてプレゼント。
「ありがとう。美味しく頂くよ」
優しい笑顔のうた先生。満開の桜みたい。
「じゃあバースデーパーティ行こう! みんなの前だと僕らのプレゼント霞んじゃうから先に!」
にょんたんずは分かっている。伊織先生のスタジオメンバーは濃いからパーティもプレゼントも濃い。だから先に。
HAPPY BIRTHDAY♪
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