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思わずそんな言葉が出てしまうほど鳴に夢中になっている自分に呆れつつも、それが嫌ではないのも事実で。
「好きだよ、お嬢さん」
そう言って唇を塞ぐと彼女もそれに応えてくれる。何度も何度もキスをして舌を絡め合いお互いの唾液を交換するようにしながら夢中で求め合った。
やがて息が苦しくなり唇を離すと銀糸が伸びてぷつりと切れた。そして見つめ合って微笑んだあと再びキスをしたのだった。
そんな甘い時間を過ごしているといつの間にか時間が過ぎてしまい慌てて仕事に行く支度をする。
「それでは!行ってきますとりまるさん」
「ん、いってらっしゃいお嬢さん。気をつけてね」
鳴は出版社へ壮はAzamIの関東支社で仕事をするためにそれぞれの場所へ向かった。
***
「壮ちゃん、オーラ漏れすぎてくさ」
株式会社AzamIの関東支社では壮の部下が忙しそうに駆け回る。壮も書類をチェックしたり、他会社の動向のチェックなどに忙しかった。
そんな中、呑気に緑茶を飲みながら、お饅頭を頬張るのは東である。
「朝から何ですか東さん。仕事の邪魔なんで黙ってもらっていいですかね」
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