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「今日はお忙しいなかありがとうございます。愛様」
「いえいえ、こちらこそ」
「それではまず最初に自己紹介の方お願いします」
「愛とか呼ばれるものです。人を思いやる気持ちだとか、他人を慈しむ心だとか皆さんいうけれど、ただの言葉で概念です。」
「では、愛様。貴方のお仕事は?」
「よく、人を繋ぐために使われます。恋人同士や家族同士、時には自分自身の時もありますが、都合のいいボンドみたいに使われます。」
「なるほど、それはさぞかし人気者なのでしょう。」
「いいえ、そんなことはありません。ただいいように使われているだけです。友達と呼んでくれるのは、アンパンの顔した偽善者だけですから。」
「貴方は愛に飢える人間をどう思いますか」
「まず私に必要以上の期待を向けてほしくはないですね。私はなにもしてないので。それこそ、『愛は地球を救う』とか言われてもそこまで大層なものじゃないですよ。お金の力です。それに、愛がなくても生きていけます。よく恋人が失うのが辛いだとか言いますが、結局それは恋人になる前に戻るだけですから。」
「最後に一言どうぞ」
「そんな私を愛してね。さようなら。」
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