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合唱コンクール
「瑞紀、合唱コンクールのピアノ弾くの?」
「ああ。弾く事になった」
「お母さんも聞きに行きたいわ~」
俺達の学校では、クラス対抗合唱コンクールがある
「高校なんて、合唱コンクールない学校も多いのになぁ」
「ゆず、別に音痴でもないのに、学校の行事嫌がるなんて、珍しいな」
「あんなに沢山の人で歌うなんて、なかなかないわよ~」
皆で歌うのはいいんだけど……
「低い声、出しづらいんだもん……」
「ああ、ゆずは女子のアルトくらいが、丁度いいもんな?」
女子の……
「もうちょっと低くなるかな……」
「あら、ゆずはその位が可愛いくて、ちょうどいいのよ?」
「可愛いくなくていいの!男らしくなりたいんだよ!」
「ふ~ん?……じゃあ、ゆずはどんな男目指してんの?」
どんな……
「えっと……男っぽい濃い髭が生えてて、顔も体ももっと角ばった感じになってて、筋肉ムキムキで……」
「まあ!そんなのゆずじゃないわ!」
「ゆず……儚い夢は早々に捨てろ」
「何で!?まだ分かんないじゃん!」
「ゆずの遺伝子は、父さんと母さんから受け継いでるんだぞ?何処にそんな男らしさがある?」
父さんと……この母さんと……
「あら、眞紀さんああ見えて、けっこうしっかりと筋肉付いてるのよ~」
「まあ、目指すなら細マッチョだな。髭は父さん普通に生えてる方だけど……俺達はどうかなぁ」
「あら、髭剃りも大変なのよ?肌も荒れちゃったりして……眞紀さんは、お肌ツルツルだけど」
ん?
「父さんはツルツルなのに、なんで母さん、そんな事知ってるの?」
「だって看護師時代、数え切れない程の髭剃りしたもの~。きっと我が家で1番髭剃り上手なのはお母さんね。瑞紀とゆずの初めての髭剃りは、お母さんが教えてあげるわね」
「……えっ?母さんに教えてもらうの?」
「そうよ?だって眞紀さんのお髭じゃレベル1だもの。色々教えてあげられないかもしれないわ。ゆずのお髭は、どんなかしら~?楽しみね~?」
なんか、父さんの髭、ディスられてる?
「……や…やっぱ、髭いいや……別にそんな、なくてもいいや」
「あら、そう?」
「うん……生えても、父さんと同じレベル1でいいや。体……うん。体鍛える事にするよ」
「懸命な判断だな。筋トレなら付き合うぞ」
髭剃り……母さんに教えてもらう人っているのか?
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