ハロウィンは俺のためのイベント

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ハロウィンは俺のためのイベント

今日は10月31日。ハロウィン! 堂々といたずらできる日だ! 悪魔と人間のハーフの俺のためのイベントだ! 「ありさ、ハッピーハロウィン! トリックオアトリート!」 俺は放課後、隣のクラスに行った。 ありさは、目を丸くしている。そりゃそうだ。 俺がドラキュラの格好をしているからな! 「どうだ、牙も翼もホンモノだぞ! 迫力あるだろ!」 「史哉(ふみや)、うちの高校が私服OKだからってやりすぎだよ」 「いや、牙と翼はホンモノ……」 「史哉って毎年ハロウィンになったら、その格好するよね。あのさ……」 ありさが、言いにくそうに口を開く。 「見飽きたよ。その仮装」 「な……!?」 俺は床に突っ伏した。 「史哉は顔がいいんだから、アニメキャラのコスプレとかしたらウケると思うよ」 「ドラキュラはダメなのか……?」 「ダメってわけじゃないけど、古すぎるかなあ……」 「古い……!?」 仕方ないだろ。 いつも牙と翼を隠している俺にとっては、ハロウィンだけが、堂々と変身をとける日なんだよ。 人外の俺だけ、毎日ハロウィンごっこみたいなもんなんだよ! あー、うまく変身できなかった子供時代を思い出した。 牙が生えないようにマウスピースをつけたのに、幼稚園児になったらニョキニョキ出てくるし! 翼があるからランドセルを背負ったら、背中におできができるし! 悪魔エネルギーを使わず楽できるのがハロウィンなのに!
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