epilogue

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epilogue

 風が吹く、花びらは舞う、まるで徒桜の人生だ。  忙しい時には忘れていても、ふとした瞬間蘇る。  今年も桜の季節がきた。  幼い頃、行動範囲がまだこの街だけだった頃は、すぐにまた会えると思っていた。  私は広がる淡く甘い香りに包まれながら、桜の樹の下に立っている。  見上げれば満開に咲き誇る桜が、風に揺られハラハラ散った。
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