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二人とも身長が168センチということもあって、洋服を兼用することも多い。
そのインフルエンサー二人を狙って、スポンサー契約などの依頼も耐えないけれど、そこは詩音がしっかりと吟味して…ホントは単純に…自分が着たい物と飛鳥に似合う物だけをいただいているのが現状だ。
「飛鳥、予約出来たよ」
「ありがと。すっごくセレブとかじゃないと無理かと思ったけど…」
「自分たちが思うより、遥かに有名人なのかもしれないね」
「ボクと詩音がねぇ」
「安心だよね。芸能人やスポーツ選手、セレブ御用達病院」
「そうだね。秘密は守られるはず」
「うん。請求金額も高級らしいけど、秘密を守る形を選ぶ…で、いいよね?」
どちらからともなくハグすると、一緒にコロンと横になる。
「病院、明後日だよね?」
「うん」
「明日、一本いっとく?」
「うん。どれにしようか?詩音はどれがいい?」
飛鳥の髪に指を絡めながら、詩音はいくつかの企画を思い出しているようだ。
「シオンのタピオカミルク大公開」
「いいね。材料あるかな…見てくる…」
「飛鳥、眠そうだね。シオンが確かめておくから昼寝していいよ」
チュッとキスをしてから詩音はキッチンで冷凍庫と冷蔵庫などを静かに開ける。大丈夫、あるね。
こうして翌日は“シオンのタピオカミルク大公開”を配信する。
「冷凍タピオカはお湯で表示通り戻してありまぁす、これね。で、隣で飛鳥は牛乳とココナッツミルクを混ぜてます。シオンはコップにタピオカを入れて、飛鳥を待つ間にバニラアイスと小豆缶をオープンするよ…飛鳥、喋らないの?」
「集中チュウ」
「ハハッ…もういいでしょ?コップに入れて…ここにバニラと…小豆はちょこっと…完成」
パチパチと拍手する詩音の隣で、小豆缶を持った飛鳥が
「皆さ〜ん、毎回コレが問題になる…詩音のタピオカミルクは美味しい。ボクも好き。でもね、ちょこっとだけ使ったあとのコレ…小豆…詩音は食べない。どうするのが正確かな?ボクのちょっとした悩みなんだよね」
とカメラに小豆を大きく映した。瞬時に小豆缶レシピがいくつも書き込まれ
“詩音チャンのピアス、どこのか教えてください”
などもいつも通り書き込まれる。飛鳥と詩音はタピオカミルクを食べながら、ゆっくりとそれらに答えるのだ。
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