遼くんのアルバイト2side:遼

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「ご注文はお決まりですか?」 席までオーダーを取りに行くと、おっさんは鼻の下を伸ばしながら聖奈という女に媚びていた。 「何でも好きなの食べてね。ここちょっと高いけど、おじさん聖奈ちゃんにご馳走しちゃう」 「えぇ~どうしようかなぁ?どれも美味しそうで、聖奈迷っちゃう〜」 「………」 注文決めてから呼びやがれ。 「ねぇ、はどれがオススメ〜?美味しいの食べた〜い」 「………お決まりの頃にまた伺います」 苛立ちを抑えて笑顔をキープするのは結構キツい。 立ちっぱなしの2時間を終えて、厨房で忙しなく調理しているかなでっちゃんに「帰るね〜」と声を掛けて裏口から出た。 そこで聖奈という女からの待ち伏せに遭う。 「待ってたよ〜」 仕事上がりの解放感がどんより気分に早変わり。 一気にテンションが下がった。 「ここで待ってたら会えるかと思って」 無視を決め込んで歩き始めると、女が行く手を阻むように立ち塞がる。
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