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キャンプ中、水を汲むため川に向かったら、上流から何かが流れてきた。
人が一人軽く乗れそうな大きな板。その上に色々と乗っている。
ベタベタに濡れた何かの葉っぱと果物の皮らしき物。髪の毛のようなもじゃもじゃとした黒い塊。そして…骨?
よくよく見れば板の上は、黒く変色しかけた赤い液体で染まっていて、そのあちこちに肉のかけらのようなものが転がっていた。
ふと思い出した、川上から流れてきた果物から赤ん坊が出てくるという、とても有名な昔話。
もしかしたらこの川の遥か上流には、第二、あるいは第三以降の『あの物語』の主人公が存在していたのだろうか。
でもその赤ん坊は、包まれていた果物の果実ごと、誰かに食べられてしまった…?
俺の今の考えは、もちろんただの想像だよ。だけど、こんな物体が上流から流れてくるような場所でおちおちキャンプなんかしてられないから、今すぐ荷物をまとめて帰るとしよう。
流れてきたもの…完
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