嘘の罪

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 私は彼に嘘をついていた。  本当は彼のことがどうしようもなく好きなのに、そういう素振りを全く見せなかった。  いつもお洒落なお店でデートをしてくれて、さりげなく車道側を歩いて、気配りが優しい彼が大好きだった。  私はこの関係がこのまま続いてくれたらいいのにって思ってた。  でもそうはならなかった。別れは突然やってきた。  彼に真剣な眼差しで告白された。 「実はあなたのことが大嫌いです。僕がこれだけ頑張ってるのに全然嬉しそうにしてくれない。もう別れてください」  私はその言葉を聞いて涙が止まらなかった。  ただひたすらに悲しくて、悲しくて。  なんでそんなことを急に言うのかな?  私は今まで嘘をついていたことを何度も話したけど信じてもらえなかった。涙で目が腫れていた。  私がぼろぼろの姿で泣くのをやめると彼に言われた。 「エイプリルフールだよ。びっくりした?!」  私は体も心もマグマのように燃えたぎるのを感じた。  私は渾身の力を込めて彼の頬を叩いた。  私はそれでも彼が許せなくてもう一度叩こうとした時に、彼がポケットから綺麗な指輪を取り出した。 「結婚してください。これは嘘ではないです!」
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