僕ときみ〜二人でお花見を

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「あ、あのさ」 思わず振り向くきみ 「僕も魔法を使えるようになるのかな?」 「勇者さまは訓練すれば攻撃魔法を扱えるはずです」 「さっききみが使ったような魔法も? もしかしてこの桜の花をいっぱい作れたりするかな」 きみは首をかしげて言い淀む。 悩む時はそういう仕草をするんだね あぁ、なんだかきみのことが気になるよ。 年齢も近そうだしきみが聖女だからかな きみも僕も二人で魔王を倒さなければいけないという役目があるからね 「複製魔法はどうでしょう…」 「難しい魔法なの?」 「難しくはないのですが、複製するにはそれに見合う対価が必要なのです」 「対価?」 「はい、複製するのに近いものを用意する必要があります。もしくは代償として何か差し出すとか……高度な複製魔法になればなるほど大きな対価が必要になります。 桜はこちらの世界の花ではないので、難しいかもしれません……」 「そうだよね」 「でも、一緒に挑戦してみませんか? 私も満開の桜を見てみたいですし、もしも咲かせることができたなら、その時は一緒に戦うことを検討してください勇者さま!」 「あー、その時は…考えておく」
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