僕ときみ〜二人でお花見を

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 ここではない異世界に、アズールという王国がありました。  アズール国は小さな国でしたが、自然豊かで争いごともなく皆平和に暮らしていました  魔王がいない期間だけは━━  ✳︎✳︎✳︎ 「あのさぁ、もういい加減にしてくれない?何度来ても僕の気持ちは変わらないから」 「そ、そんなことおっしゃらずに、ど、どうかこの国を、いえ、この世界をお救いください勇者さま」  まるで神様を崇めるように、神官はひれ伏して懇願する  その様子をどこか冷めた目で見る僕。  足を組んだ状態でソファーに座っているまま、ぷいっとそっぽを向く  これ以上は無理だと察して神官は「また参ります」と言い残して退室した  神官と入れ違いに今度はが入ってくる 「またきみか」 ため息をつき足を組み替えて、きみをきつく睨む 「っ!」 一瞬きみはひるむけれど、僕の隣に腰掛ける 「どうしたら一緒に戦ってくれますか?」 「絶対に嫌だよ」 「そうですか、また来ます」 「何度来ても同じだよ」 「そうかもしれないですね。でも私の務めですから」 「あっそ」 きみも大変だねと思いつつ見送る
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