もう一度、キミの元へ~虹の橋を越えて~

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 『また会おうね』  その約束を守りたくて、僕はずっとイチコちゃんを探していた。  神様は言った。  ──彼女が自分からキミの名前を言うまでは、秘密にしておくんだ。もしその秘密が守れなければ、その時点でキミは、魂ごと消えてしまうからね。  あの時、僕は深く考えていなかったんだ。とにかくイチコちゃんに会いたい一心で。  イチコちゃんが気づいてくれなければ、僕はどうしただろうか?  秘密にできずに話してしまっただろうか? それともイチコちゃんの傍にいたくて我慢できただろうか?  この秘密は神様の試練だったのかな。  だって、こたろうだって伝えたいに決まっている。  こたろうの生があるから、イチコちゃんに会いたいって思うんだから。  イチコちゃんが気づいてくれたこと。それが奇跡だし、イチコちゃんもずっと僕を想っていてくれたんだって、信じたい。 「イチコちゃん、気づいてくれてありがとう」 「本当に、こたろうなの?」 「そうだよ。イチコちゃんに会いたいくて、会いたくて……いっぱい伝えたかったんだ。こたろうとして過ごした楽しい時間の感謝を。いっぱいのありがとうを」  そう話す僕に、イチコちゃんは優しく笑いかけてくれる。大人になったイチコちゃんだけど、その笑顔も昔のままだった。 「そっか……ありがとう。会いに来てくれて」  その言葉に、僕はまた涙が止まらなくなる。  そんな僕の頭をそっと撫でてくれる。 「こたろうだったからかな。君の髪、すごく撫でたいって思ったんだよね」 「そんなの、いくらでも撫でてよ。僕、イチコちゃんに撫でてもらうの大好き」 「ふふっ、ありがとう」  そう言いながらも、イチコちゃんは僕の髪から手を離した。  気のせいかな? だけど僕の直感が知らせる。  イチコちゃんがこのままさよならしようとしてるって。  そんな事させるもんか。
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