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「まずは自己紹介だよね! 今の僕の名前は大樹って言うんだ。高校一年生だよ。学校は」
「ちょ、ちょちょ、ちょっと待って!」
勢いよく話しはじめた僕に一旦ストップをかける。
「だってイチコちゃん、今の僕の事、知らないでしょう?」
「そうだけど……」
「せっかく会えたんだもん。その為に生まれ変わってきたんだしね! これからもよろしくね」
「え⁉︎ これから?」
『これから』というワードにイチコちゃんが驚いている。
やっぱり。イチコちゃんはこの出会いでもうそれっきりだと思っていたんだ。そんなの嫌に決まっている。やっと会えたんだから。
「イチコちゃん言ったじゃない。『また会おうね』って。それでこうして会えたんだから、また一緒にいたいじゃない?」
「一緒にいたいって言ったって……」
「え? イチコちゃん、彼がいたりするの?」
「それは、いないけど」
よし! 彼がいないなら遠慮することないよね。
「じゃあ、僕! 僕、だってイチコちゃんと結婚するつもりだったんだから」
なんて、最初から考えていたわけじゃないけど。
でもよく考えたらずっと一緒にいるってそういう事だよね?
「イチコちゃん、大学生だよね? どこの大学? 今日終わり何時? っていうか、今から一緒に行く。送っていく!」
思わず鼻息が荒くなるくらい前のめりになっていく僕を、イチコちゃんが両腕を伸ばして引き離そうとする。
「ちょっっと待ってよ! 君こそ高校生でしょ? 学校遅刻しちゃうじゃない」
「いいよ。イチコちゃんと一緒にいられるほうが大事だもん」
「そんなのダメに決まってるでしょ! ちゃんと出来ない人とは付き合ったりしないから!」
「えぇー……」
付き合ったりしないってハッキリ言われて、胸がつぶれそうになる。
ずっと一緒にいたいけど、それで嫌われるのは困る。
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